1月まとめ
未分類
あっっ!!という間に1月もおしまい。
新しい年の12分の1が終わってしまうのだから、本当に早いです。
だからといって言い訳にはなりませんが、また今月もさぼっていた分を
まとめてブログに書こうと思います。
★壽新春大歌舞伎
新春歌舞伎を観に行ってきました
新しい歌舞伎座は2回目。

私と友達は、10時半の開店と同時に銀座三越のデパ地下でお弁当を買い
11時からの昼の部公演を見たのですが、同じ行動パターンのおば様方がとってもたくさんいました(笑)
考えることはみんな一緒ですねー。
歌舞伎を観ていつも思うことは、数百年の前の人たちと現代に生きる私たちとの
感覚の共通点と相違点。
基本的な感情はやっぱり今も昔も変わらないんだなと思いますが、
一番違うのは時間的な感覚でしょうか。
歌舞伎のセリフや運びを観ていて、とにかくまどろっこしい!!
と思うことがよくあります。
今のドラマや小説の感覚だともう結末は分かったんだからいいでしょ、と
思うようなところも、最後の最後までくどいくらい説明します。
興味がなくなったらすぐにチャンネルを変えたり切ったりしてしまう私たちは
江戸時代の人にしてみればずいぶんせっかちで風情のない人に見えるかもしれません。
せっかく歌舞伎座に来たのだから、こんな時くらい悠長な気持ちで
じっくりと江戸時代の人たちの時間感覚でお芝居を観るべきなのかもしれません。
休憩時間にウロウロしていたら、2人も知り合いに会いました!
歌舞伎の舞台はとにかく華やかで、お正月らしい気分になれるもの。
やっぱり考えることはみんな一緒なんですね(笑)
終演後は知り合いの歌舞伎役者、中村橋弥さんを訪ねに
楽屋にも潜入させてもらいました!!
楽屋入口は着物の受付担当さんたちがウロウロしていて、迂闊に入れない感じ。
「伝統文化」な雰囲気がプンプンで非常に敷居が高かったですが(笑)
こんな機会でもないとなかなか入れないところなので
勇気を出して入れていただきました!

橋弥さん、ありがとうございました~
★読書備忘録
今年の冬は色々本を読み、しかもどれもアタリ!という嬉しい収穫でした。
しかし備忘録と言いながら何を読んだかすでにけっこう忘れてる…(最近ほんと
物忘れがひどくなった気がする…
)
これ以上忘れないために、メモしておきます!
青柳いづみこ『6本指のゴルドベルク』

ピアニストで著書も多い青柳いづみこさんの本。
音楽を扱ったミステリーや小説を取り上げながら、演奏家の心理や音楽の不思議についても
思いをめぐらせるエッセー集です。
ピアニストについての話は、ちょっと類型化しずぎている感じもあるけど
音楽が好きな方にとっては楽しめる1冊だと思います。
ここで取り上げられているミステリーのほとんどが私の知らない作品ばかりで
青柳さんは大変な読書家なのだなぁと改めて思いました。
小川洋子『猫を抱いて象を泳ぐ』

数年前に話題になった本ですが遅ればせながら読んでみました。
少年とチェスのお話。
時代設定もどこの国のお話なのかもわからない、童話のような不思議なお話。
淡々とした静謐な文章でチェスという世界の美しさが描かれます。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』もやはり、何の見返りも求めず数学の世界に
没頭する「博士」を通して数学の持つ「美しさ」を感じさせてくれた小説でしたが
それのチェス版です。
私自身は数学もチェスも全くわからないのですが、この本を読むと
「世の中には、自分の知らない美しくて素敵な世界がまだまだたくさんあるんだな」と
思わせてくれます。
ちなみに私の母は、この本を読んでチェス盤を買いました(笑)
しかも母はドラマ「相棒」のファンでもあるので、ドラマの中で杉下右京さんが使っている
ガラスのチェス盤を購入していました
でもなかなかルールが覚えられないそうです…。
三谷幸喜『清州会議』

お正月に映画版が放映されていましたが見逃しました…残念。
織田信長亡き後、家臣たちが集まって後継者を決めた「清州会議」。
後の権力争いの行方を握るその大切な数日間にスポットを当てた小説です。
戦国時代のお話ですが戦闘シーンは一切なく、会議という心理戦を扱っているので
その分、秀吉や柴田勝家、お市の方など歴史上の有名人たちが
三谷さん流にキャラクター付けされて、それぞれ現代語でしゃべりまくっています。
秀吉も信長もお市の方も、自分の周りのだれかに似てる…そんな風に親しみが持てます。
コメディー調なのでゲラゲラ笑って読める1冊です。
そろそろ疲れてきました…
最後は2冊まとめて。同じ作者の本です。
★奥泉光 『グランド・ミステリー』

とにかく長くて壮大な小説。
なにしろ文庫で700ページ以上!
私は安くて軽いという理由で本は文庫本しか買わない主義なのですが
これは軽くも安くもありません。
普通の小説なら200ページくらい読めば大体話は収束していくのに、
この作品は200ページ読んでも300ページ読んでもまだまだ底なし沼のように
全容がつかめません。
時代小説でもあり、戦記ものでもあり、SFでもあり、
ちょっと恋愛小説の雰囲気もあり、ミステリーでもあり、
思想小説でもあり…いろんな要素が入り組んで
途中から迷宮に入り込んでしまいます。名作。
作者の奥泉光さんは以前『シューマンの指』という小説でこのブログでも
書かせていただきましたが、『シューマンの指』も『グランド・ミステリー』も、
人間の「意識」に焦点を置いて書かれていようです。
詩的で薫り高い文体も特徴的です。
と思いきや! 同じく奥泉光さんの『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』

私の知ってる奥泉さんと全然ちがう!!
ダメダメな下流大学准教授「クワコー」こと桑潟幸一先生と、
これまたぶっ飛んだおバカ女子大生たちのドタバタ学園ミステリーです。
自虐ネタ満載の文章は詩的とはほど遠く、
登場人物たちのデフォルメっぷりもとても思いっきりがよく、
奥泉さんどうしたの!!と抱腹絶倒してしまいます。
電車の中で読むと、絶対一人でニヤニヤしてしまうのでオススメできません。。
でもそんなクワコーや学生たちも、思わず我が身に重ねてしまうリアリティがあって
笑うだけではすまされません。
作家ってすごいですねー。
ちなみに、単行本では続編の『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2』が
発売されているそうです
早く文庫にならないかなー
新しい年の12分の1が終わってしまうのだから、本当に早いです。
だからといって言い訳にはなりませんが、また今月もさぼっていた分を
まとめてブログに書こうと思います。
★壽新春大歌舞伎
新春歌舞伎を観に行ってきました

新しい歌舞伎座は2回目。

私と友達は、10時半の開店と同時に銀座三越のデパ地下でお弁当を買い
11時からの昼の部公演を見たのですが、同じ行動パターンのおば様方がとってもたくさんいました(笑)
考えることはみんな一緒ですねー。
歌舞伎を観ていつも思うことは、数百年の前の人たちと現代に生きる私たちとの
感覚の共通点と相違点。
基本的な感情はやっぱり今も昔も変わらないんだなと思いますが、
一番違うのは時間的な感覚でしょうか。
歌舞伎のセリフや運びを観ていて、とにかくまどろっこしい!!
と思うことがよくあります。
今のドラマや小説の感覚だともう結末は分かったんだからいいでしょ、と
思うようなところも、最後の最後までくどいくらい説明します。
興味がなくなったらすぐにチャンネルを変えたり切ったりしてしまう私たちは
江戸時代の人にしてみればずいぶんせっかちで風情のない人に見えるかもしれません。
せっかく歌舞伎座に来たのだから、こんな時くらい悠長な気持ちで
じっくりと江戸時代の人たちの時間感覚でお芝居を観るべきなのかもしれません。
休憩時間にウロウロしていたら、2人も知り合いに会いました!
歌舞伎の舞台はとにかく華やかで、お正月らしい気分になれるもの。
やっぱり考えることはみんな一緒なんですね(笑)
終演後は知り合いの歌舞伎役者、中村橋弥さんを訪ねに
楽屋にも潜入させてもらいました!!
楽屋入口は着物の受付担当さんたちがウロウロしていて、迂闊に入れない感じ。
「伝統文化」な雰囲気がプンプンで非常に敷居が高かったですが(笑)
こんな機会でもないとなかなか入れないところなので
勇気を出して入れていただきました!

橋弥さん、ありがとうございました~

★読書備忘録
今年の冬は色々本を読み、しかもどれもアタリ!という嬉しい収穫でした。
しかし備忘録と言いながら何を読んだかすでにけっこう忘れてる…(最近ほんと
物忘れがひどくなった気がする…

これ以上忘れないために、メモしておきます!
青柳いづみこ『6本指のゴルドベルク』

ピアニストで著書も多い青柳いづみこさんの本。
音楽を扱ったミステリーや小説を取り上げながら、演奏家の心理や音楽の不思議についても
思いをめぐらせるエッセー集です。
ピアニストについての話は、ちょっと類型化しずぎている感じもあるけど
音楽が好きな方にとっては楽しめる1冊だと思います。
ここで取り上げられているミステリーのほとんどが私の知らない作品ばかりで
青柳さんは大変な読書家なのだなぁと改めて思いました。
小川洋子『猫を抱いて象を泳ぐ』

数年前に話題になった本ですが遅ればせながら読んでみました。
少年とチェスのお話。
時代設定もどこの国のお話なのかもわからない、童話のような不思議なお話。
淡々とした静謐な文章でチェスという世界の美しさが描かれます。
小川洋子さんの『博士の愛した数式』もやはり、何の見返りも求めず数学の世界に
没頭する「博士」を通して数学の持つ「美しさ」を感じさせてくれた小説でしたが
それのチェス版です。
私自身は数学もチェスも全くわからないのですが、この本を読むと
「世の中には、自分の知らない美しくて素敵な世界がまだまだたくさんあるんだな」と
思わせてくれます。
ちなみに私の母は、この本を読んでチェス盤を買いました(笑)
しかも母はドラマ「相棒」のファンでもあるので、ドラマの中で杉下右京さんが使っている
ガラスのチェス盤を購入していました

でもなかなかルールが覚えられないそうです…。
三谷幸喜『清州会議』

お正月に映画版が放映されていましたが見逃しました…残念。
織田信長亡き後、家臣たちが集まって後継者を決めた「清州会議」。
後の権力争いの行方を握るその大切な数日間にスポットを当てた小説です。
戦国時代のお話ですが戦闘シーンは一切なく、会議という心理戦を扱っているので
その分、秀吉や柴田勝家、お市の方など歴史上の有名人たちが
三谷さん流にキャラクター付けされて、それぞれ現代語でしゃべりまくっています。
秀吉も信長もお市の方も、自分の周りのだれかに似てる…そんな風に親しみが持てます。
コメディー調なのでゲラゲラ笑って読める1冊です。
そろそろ疲れてきました…

最後は2冊まとめて。同じ作者の本です。
★奥泉光 『グランド・ミステリー』

とにかく長くて壮大な小説。
なにしろ文庫で700ページ以上!
私は安くて軽いという理由で本は文庫本しか買わない主義なのですが
これは軽くも安くもありません。
普通の小説なら200ページくらい読めば大体話は収束していくのに、
この作品は200ページ読んでも300ページ読んでもまだまだ底なし沼のように
全容がつかめません。
時代小説でもあり、戦記ものでもあり、SFでもあり、
ちょっと恋愛小説の雰囲気もあり、ミステリーでもあり、
思想小説でもあり…いろんな要素が入り組んで
途中から迷宮に入り込んでしまいます。名作。
作者の奥泉光さんは以前『シューマンの指』という小説でこのブログでも
書かせていただきましたが、『シューマンの指』も『グランド・ミステリー』も、
人間の「意識」に焦点を置いて書かれていようです。
詩的で薫り高い文体も特徴的です。
と思いきや! 同じく奥泉光さんの『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』

私の知ってる奥泉さんと全然ちがう!!
ダメダメな下流大学准教授「クワコー」こと桑潟幸一先生と、
これまたぶっ飛んだおバカ女子大生たちのドタバタ学園ミステリーです。
自虐ネタ満載の文章は詩的とはほど遠く、
登場人物たちのデフォルメっぷりもとても思いっきりがよく、
奥泉さんどうしたの!!と抱腹絶倒してしまいます。
電車の中で読むと、絶対一人でニヤニヤしてしまうのでオススメできません。。
でもそんなクワコーや学生たちも、思わず我が身に重ねてしまうリアリティがあって
笑うだけではすまされません。
作家ってすごいですねー。
ちなみに、単行本では続編の『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活2』が
発売されているそうです

早く文庫にならないかなー
