七月花形歌舞伎

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07 /29 2013
新しくなった歌舞伎座で歌舞伎を観てきました!
建て替える前に見納めで見に行ったのがもう3年以上前ですから、
それ以来の歌舞伎です。

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新しい歌舞伎座は以前と趣きのまま、少しずついろんなところが進化していました
字幕ガイドもその一つ。
端末を受付でもらい、それを座席の前の差込口にガチャン!と差し込むと
見られるようになっています。
友人が早速試していましたが、セリフだけでなく解説も見られるそうです。
便利だけど、画面と舞台と交互に見ないといけないから
ちょっと忙しい…とのことでした。

私は昔からあるイヤホンガイドで鑑賞。
片耳にイヤホンを差すと、上品なお爺さん(そうな感じがします笑。
女性の時もあります)
が懇切丁寧に同時解説してくれます。
セリフがちょうど途切れたいいタイミングでさりげなく補足説明してくれて、
さらに休憩中もその演目の成立背景や歴史的なマメ知識を伝授してくれて
非常に有り難い!
至れり尽くせりのイヤホンガイド。
一体どんな人が解説しているのだろうと思ったら、こんなページを見つけちゃいました!
オーディション、大変そうですねぇ。
でもこの厳しいオーディションをくぐり抜けた精鋭たちが
イヤホンガイドを担当してくれているのですね

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さて、この日の演目は『東海道四谷怪談』。
暑い夏にピッタリの演目です
みなさんご存じの、幽霊になったお岩さんのお話ですが
実は単なる怪談ものではなく
『忠臣蔵』の世界を下敷きにしたお話だそうです
(↑もちろんイヤホンガイドからの受け売り)。
だから江戸時代当時は、『忠臣蔵』と『四谷怪談』をセットにして
丸2日かけて上演していたそうです。
歌舞伎に賭ける江戸庶民の情熱はすさまじい・・・!

確かに『忠臣蔵』で描かれた敵味方の構図は『四谷怪談』にも引き継がれていて、
登場人物たちの行動が単なる個人の好き嫌いの感情だけでなく、
義理や忠義などの社会的な制約に基づいていることが分かり、
より役柄への理解が深まりました。
江戸時代って、親と子、主君と家臣、夫と妻…など今とは比べものにならないくらい
様々な場面で上下関係が浸透していて、さぞかし不条理なことが
多かったろうな…おおイヤダイヤダ…と身震いしてしまいます
でもその価値観が当たり前だと思っている人たちからしてみれば、
考え方の規範が統一されていた分、却って生きやすかったのかもしれません。
選択肢が増えれば増えるほど、余計な迷いや悩みも増えますからねぇ。
江戸の人々が現代の私たちの生き方を見たら、
逆に自由すぎて生きづらいと感じるかもしれませんね。

お岩さん役の菊之助さんは今回この役が初挑戦だったそうですが、
柱にもたれる、湯呑を空ける…などのさりげない仕草に女性としか思えないような
たおやかさがあって素晴らしかったです
そして幽霊になってからのお岩さんにはほんとに足がないかのようなユラユラ感!
大技もバシっと決まってお見事でした。

それにしてもヒドすぎるのが夫の伊右衛門。
こうまでするか、というほどの悪人で見ていてイライラしてしまいました(笑)
そりゃお岩さんも化けて出ますわな。

お岩さんは毒を飲まされた結果、顔が崩れて
世にもオソロシイ形相になってしまうのですが、
その変わり果てた妻の顔を初めて目の当たりにした
伊右衛門のセリフはたった一言、
「…変わった(歌舞伎調で読んでくださいネ)」。
え~それだけ~と思わず心の中でツッコミを入れてしまった瞬間でした。
つくづく伊右衛門の感覚にはついていけないわ…

yukarigoto

ピアニスト後藤友香理のブログです。
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